そもそも「 METAL/SHOCK ROCK DAY 」と銘打たれたこの日の内実は、
“メタル”や“ショック・ロック”というカテゴリーでは
到底括りきれない多彩な出演陣が揃えられている。
その出演陣を分け隔てなく楽しむのは、簡単なことではない。
“異文化交流”なる標語の下で日本と海外のバンドの交流は盛んだが、
異ジャンル交流は遅々として進んでいないのが現状だ。
「 independence-D 2007 」は、昨年に比べ日数が 3 日間から 2 日間へ、
ステージ数が 4 つから 3 つへと変更され、一見すると規模が縮小されたかにも思える。
けれど、このイベントの趣旨がインディペンデントなレーベルのサポートであると同時に、
異なるジャンルのファン層をリンクさせる事にもあるとしたら、
その機能は徐々に作用し始めていると感じられた。
例えば、ジュラシック・ジェイドが自分たちのことを
「元祖ヴィジュアル系」と呼んで若い観客の興味を惹く姿や、
バトル・オブ・ニンジャマンズが自分たちのことを知らない観客を
積極的にライブに巻き込んで盛り上げていく姿は、
異ジャンル交流の模範と言えるものだろう。
そして、何気なく通りかかったサイコビリー・ファンが
ベアボーンズのライブに魅了されて足を止めて見入ったり、
メタル・リスナーがヴィジュアル系と呼ばれるバンド群にも
メタルに通じるものを感じ取ったり、
少なからぬ人が新しい発見をこの日の会場で得ている様子が
其処彼処で見受けられたのも印象的だった。
また、コンペティション・ライブの部門で参加した
ブレイク・ユア・フィストとヘッドフォンズ・プレジデントの 2 バンドに、
かなりの注目が集まっていたことも特筆すべきだろう。
集まったのは、普段から彼らを応援している熱心なファンよりも、
バンドの音は知らないが存在だけはかねてから気になっていた
という人々が多いようだった。
この 2 バンドにとって「 independence-D 」への参加は、
確実に有意義なものとなったハズだ。
インターネットの急激な発達に伴い大量の情報が氾濫し、
音楽シーンの有り様も大きく様変わりし始めている。
けれど、やはりライブという“生”の体験には、変え難い魅力が今でも息衝いている。
ドーターズやストューピッド・ベイビーズ・ゴー・マッドのハプニング的パフォーマンスは
その場に居合わせてこそ楽しい。
異ジャンルの交流、新しい発見、そしてライブの魅力。
こういったものを一度に提供できる場として、
「 independence-D 」には今後も更なる期待をしていきたい。 |